結露ってなあに?その原因と対策法を知ろう!

業務用エアコンの結露は、店舗やオフィスなどの商業施設において大きな問題となることがあります。結露が発生すると、設備の劣化や室内環境の悪化、更にはカビの発生など、さまざまなトラブルを引き起こしてしまうことも。そこで今回のコラムでは、業務用エアコンの結露の仕組みや原因について解説した上で、ご自身でも出来る効果的な対策方法について詳しくご紹介させていただきます。快適な室内環境維持のためにも、是非一度最後まで目を通してみてくださいね。
結露が出来る仕組みって?
ではそもそも、結露という現象は一体どのようなものなのか。その仕組みについて、まずはご説明したいと思います。
業務用エアコンの結露は、室内の温かい空気が内部の熱交換器で冷却されてから室内に出す仕組みの過程で生じる温度差によって発生します。温かい空気ほど水蒸気を多く含んでいるので、主に梅雨から真夏にかけての時期は一年で最も結露が出来やすい時期だとも言えるでしょう。業務用エアコン内に吸い込んだ空気が急激に冷やされると、空気中の水蒸気が水分に変わりやがて結露になります。通常、業務用エアコンを使用する上で結露が起こる事はある程度想定された現象なので、室外機に繋がる配管を通して排出出来るように設計されています。そのため、業務用エアコンが正常に稼働していれば、水漏れするほどの結露がエアコン外に発生することはありません。しかし、室内外の温度と設定温度の差が大きかったり、業務用エアコン内部に異常があったりすると、室内配管や吹き出し口で水漏れを起こしたり目視で確認出来るほどの水分が発生してしまいます。このような状態になってしまうと、様々なトラブルを引き起こしてしまうのです。
結露が発生する主な原因は?
では次に、結露が発生しやすいとされる原因はどのようなものがあるのでしょうか。いくつかの事例を参考に一緒に見ていきましょう。
設置場所によるもの
業務用エアコンが人の出入りの多い出入口付近に設置されていると、結露が起きやすくなります。業務用エアコンは、吸い込む空気が暖かければ暖かいほど、業務用エアコン内部の熱交換器との温度差が生まれ、結露が発生します。そのため、特に扉の開閉が多い出入口付近は、暖められた外気を業務用エアコンが吸い込みやすいため、発生が多い場所と言えるでしょう。
建物の構造によるもの
外気温によって建物の外壁や屋根が温められると、室内が熱くなり、結露の発生に繋がります。特に、木造物件や新築の場合、湿度を含んだ木材によって建物内が高温多湿になりやすいです。そのため、業務用エアコン内部の熱交換器で冷却される際に、湿度や温度に差が生じ、発生の要因へと繋がりやすいと言えます。
フィルターの汚れによるもの
フィルターがホコリやゴミなどで汚れていると、空気を吸い込んで吹き出す能力が低下してしまいます。それにより吸い込んだ空気が、業務用エアコン内で冷却されても吹き出されないで溜まっていくことで、室内との温度差ができ、結露の発生へと繋がってしまいます。
ドレンパンの劣化や破損によるもの
業務用エアコンを長期間使用することで、水あかやホコリなどがドレンパンに付着し、やがてそれらが蓄積していくことで劣化や破損を引き起こす要因へと繋がります。それにより水滴を受け止める能力が低下することで、結露による水漏れを起こす可能性があります。
工事不良によるもの
業務用エアコンが傾いて取り付けられてしまっていたり、ドレンホースが逆勾配になってしまっていたりすると、やがてそれが結露の原因へと繋がってしまいます。水は本来高いところから低いところに流れる性質にあるため、ドレンホースと壁掛けタイプのエアコンは自然に水が流れる傾斜が付けられています。ところが、この部分が反対の傾斜に取り付けられてしまっていると、結露による水漏れが発生してしまうのです。
対策法は?どうしたらいいの?
業務用エアコンが熱交換機能で空気の温度を変える際に結露が発生するのは正常な現象ですが、上述している例のように要因が重なってしまうと結露が異常なほど発生し水漏れを引き起こしてしまいます。業務用エアコンの買い替えや故障のリスクを抑え長期に渡り使用していくためにも、ご自身でも出来る対策法についていくつかご紹介させていただきます。是非一度、ご参考にしてみてください。
温度調節と湿度管理を行う
室内の温度と湿度を適切に管理することは、結露現象を軽減するために非常に重要です。まず、業務用エアコンの設定温度を適切に調節し、室内の湿度を制御するために湿度調整機能を使用しましょう。適切な温度と湿度のバランスを保つことで、結露現象を軽減することが可能です。
結露対策アイテムを使用する
業務用エアコンには、様々な結露防止アイテムが販売されています。例えば、天井埋込形エアコンの結露防止には、エアコン本体に取り付けるプロペラ型のファンがオススメです。プロペラによって吹き出し口から出る冷風を循環させ、極端な温度低下を軽減することで結露を防ぐことが出来ます。また、業務用エアコン内部や配管に結露を防止するテープを貼るのもオススメ。結露防止テープを使用することで、結露を吸い取り、配管に水分が流れ落ちないように防いでくれます。
定期的なメンテナンスを行う
業務用エアコンのフィルターにホコリなどが溜まると、空気を吹き出す能力が低下し、結露が起こりやすくなります。フィルターの清掃はもちろんのこと、排水パイプの清掃もきちんと行うようにしましょう。清掃を行うことで、業務用エアコンの効率が向上し、結露を防ぐことが出来ます。専門業者にメンテナンスを依頼することも、一つの手と言えるでしょう。
風向きを調節する
業務用エアコンの風向きを調節することも、結露予防に有効な方法と言えます。風向きが下向きのまま設定されていると、冷却された空気が同じ部分に当たり続け、人や物の温度差から結露が発生しやすくなります。よって風をスイング運転にしたり、上向きに変更したりするだけで、その発生を軽減することが可能になるのです。
万が一結露した状態を放置してしまうと・・・
業務用エアコンの結露を放置してしまうと、エアコン内部の湿度が上がりカビが発生しやすくなります。業務用エアコンから空気が排出される度にカビの胞子が室内中に蔓延し、喉の痛みやアレルギー症状を引き起こしてしまう可能性も。カビ特有の嫌な臭いも室内にこもってしまうでしょう。カビは一度発生すると、ご自身で完全に除去するのは難しく、プロのクリーニング依頼をする頻度が高くなってしまいます。必要以上の費用をかけず、健康被害を招かないためにも、今回ご紹介させていただいた対策法を参考に早めの結露対策を行いましょう。
まとめ
今回は、業務用エアコンの結露現象について詳しくご説明させていただきました。結露が進行すると、室内の環境や業務用エアコンの効率に悪影響を及ぼす可能性があります。従って、適切な温度と湿度の管理、結露対策アイテムの使用、定期的なメンテナンスなどの対策を実施することが重要です。
ご紹介させていただいた対策法を参考に、結露現象を軽減し、より快適な環境を維持することを心がけましょう!